ルノワール展の1点
「ルノアール展」が8月22日まで東京港区の国立新美術館で開かれている。印象派の最高傑作ムーラン・ド・ラ・ガレット(1876年)が初来日している。8月6日の午後、入場すると多くの来場者で賑わっていた。幸福の色彩を祝うというのがテーマである。幸せの色は裸や肌に顕著だ。実際ルノアールが描く肌色には工夫があった。いきいきして見えるのは下地に赤を使い色が透けてみえるようにした。動いているようにさえ見えるのもそんな効果だろう。 アカシアの木の下で昼間のダンス場の光景を、画家は愉しげで華やかな表現を目指した。ダンスと和しているような陽光を斑紋の揺らめきで表現した。 アンリ・ペリユショの伝記本「ルノアールの生涯」(講談社)には当時、画家をはじめ印象派の連中は実に困難な日々に直面していた。モデルの若い娘たちも貧困の境遇にあった。そんな中で幸福画の傑作ムーラン・ド・ラ・ガレットは描かれたことになる。 著者はアルピニの言葉を引用し書いている。「わが子よ、いつだって最後はただしいのだ。肝要なことは、途なかばにして挫折せぬことだ」。 なかなか示唆に富んだ人生の導き語だと思う。 運命に恵まれ過ぎていて、常に生きるための闘いー艱難辛苦ーが欠ける 愉しみごとでのみ時を過ごしていたにすぎないー 人間関係の情景は年々歳々、移り変わって止むことはない 組合清算 売り立て フィガロ紙掲載 将来の芸術に投機しようという方々にとってはうま味のある買い物があるはずだ 結果 取るに足らぬ金額 またしても敗北 ショケ氏の情熱
貧乏が居座ってしまう。決定的に。 未定の存在 抑制された情熱が姿態と表情に強い生命感 江戸の入国禁止 1854年は安政11年ペリー来航の年 愛らしい16歳の娘 彼女の欠勤デート代を恋人が払うの欠勤デート代を恋人が穴埋め
幸福の画家は、人間を最も美しく見える面から描いて美化することが必要なのだ。ルノアールは太陽を必要とする画家。 ムーラン見かけの華やかさと寝る場所の惨めきわまる住居。なろうことなら醜さや悲しみをこの世から消す。 モデルの母親 この可愛い子にはささやかな落ち着いた家庭をもってもらいたいという望み セーヌ川 川岸の茂みに覆われた土手や河面に映る秋の空がある。 印象派の絵画は色調のために主題を扱うのだ 苦い失望あじわう ( 2016/08/15 )
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