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エッセイ「世のうちそと」
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世のうちそと

 休日の過ごし方 

休日、秋晴れの朝、夫婦して出かけることに決まる。明確な目的はないが、まずは家を出る。バス停へ。バスはすぐに来た。ラッキーな始まりだ。
バスに揺られていると空腹に気づく。昼飯にする。駅近くにイタリアンが開店したので寄る。メニュー確認もそこそこにランチを注文。するとパンが出てきた。妻は思惑と違ったのか不満顔。スパゲッティを追加注文する。女性はたべものにこだわる。我を通す。男性とは違う。
服のデザインを女性店員がほめた。それだけで笑みが出た。ご満悦で完食。
食事に手間取り、予定の電車に乗り遅れる。長い待ち時間をどうする?コンビニでビールとチーズ鱈を買う。これを口にくわえ午からビールを飲んで機嫌よし。
ようやく電車に乗り込む。酔いの上に秋の陽気も重なり居眠りしてしまったらしい。下車駅を乗り越していた。アン・ラッキー。当然のことご機嫌はナナメになる。
戻りの電車に乗る。向かい座席に中年女性がひとり。話しかけて来た。遠くの駅から日帰り乗車しているのだと話す。電車に揺られることが好きで始発駅から乗り込んで終点まで行く。そしてそのまま折り返すそうだ。楽しそうである。
当方は目的の駅で下車する。でも紅葉祭りは終わっていた。夫婦しgて本日3度目の不機嫌状態に。
駅前に屋台が並んでいた。落花生が一枡500円で売り出している。隣りの花売り屋の女性も笑顔での応対がいい。
普段は漁師をしているという親父さんもいる。素朴で親切で話をしていてもなごむ。ここでも妻は服を話題にされてご機嫌。サザエ煮焼きをおいしといってほうばる。肌寒い日だ。珈琲200円であったまる。安いので妻また喜ぶ。甘酒ものむ。おいしい。周辺は早くも店仕舞いで帰る準備。午後3時を回ったばかりなのだが。客はこないからだろう。バス停でまつ。陽は落ちた。寒い。予定を変更して家に戻ることにする。生きはよいよい、帰りはこわい。タクシーで自宅へ。運転手はひっきりなしに喋る人で疲れる。
家に戻り、風呂にザブンと浸かる。生き返った気持ちとはこういうことだろう。
風呂から上がって、ビールとつまみは買ってきた落花生で飲む。夫はご機嫌。
本日の一日を振り返る。何をしたわけでもないのに疲れたのか。早々に布団に入る。寝る。
総括しよう。今日1日すべてがうまく言ったわけではない。ささやかな出来事で感情の浮き沈みある。それが、出会った人たちの優しさに触れ、気持ちよい休日となったように思える。特別に大きな出来事が起きたわけでもない、ただ始めていく土地で外気にあたり、見知らぬ人とあいさつを交わす。なんということもない平凡な1日もまた良いものだということを実感した。満ち足りた気持ちで終える。これもまた素晴らしい休日立ったのだ。

( 2016/10/02 )

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