X線美人は実在する
X線美人は実在する
幼いころ「首ナシ美人」という新聞記事を読んでふきだしたことがあった。骨や肉のバランスによってはじめて形は決まる。 骨格は、一人ひとり違っている。骨にかたちがあり骨格には個性がある。年齢も割り出せるし、顔形も復元できる。「首なし美人」もあながち根拠なし、とはいえないことになる。骨格はいろんなことを語る。目に見えない骨格が顔の印象をかたちづくっている。しかも遺伝的に受け継つがれる。あなどれない。最近マリリン・モンローのエックス線写真が高値で競売にかけられたというニュースが紙面をにぎわせていた。
長い生活期間のクセや習慣が骨格に影響を及ぼす。骨を調べれば年齢を推定することができる。ことに歯が顔に与える影響は大きい。歯が入れ歯になり、外すと人相は激変する。
「若々しい」、「老けている」、という印象の決め手もまた骨格だということのようだ。顔やカラダの見方は二つある。一つは骨格を意識した見方、もう一つは配置を意識した見方。顔を輪郭線で平面的に捉え、顔のパーツの色やかたち、質感、配置にこだわる見方だ。だからこそ医師はエックス線写真を見て、「美人骨格」ということもわかることになる。
顔の表情を見ていると実に多様だ。写真に撮って見ればわかる。陰影のない平板なのっぺりとした顔は日本人に多い。同じ女性でもミスユニバースを見ていると、共通点は鼻の存在感だ。鼻に高さを感じる人もいれば大きさ感じる人もいる。スッーと長い感じがする人もいるが、共通するのはその存在感だ。しっかりと顔の中心に据えてある鼻は良品といえる。鼻根の落ち込みが浅く、額から鼻にかけての横顔のラインが美しいことも大事だ。さらに鼻を中心に目と口の配置のバランスがいいこと。もし置かれている場所が1ミリずれただけで人相は変わる。お正月の「福笑い」遊びを考えると納得のはず。流行とは無関係に人の顔の骨格は変わらない。
「いつも笑顔でいい表情だなあ。癒やされるよ」「素直に気持ちを表情に現してくれるから、話していて楽しいね」。表情美人は幸せ者だ。
美女は額から鼻根のくぼみなく通るまっすぐな鼻背のフォルムと、鼻下から唇までの距離の短さにある。表情もまた内面の感情が外側に現れる。心のありようと表情が深いところで繋がっている。ということは、逆につらいときにも自らの外面の表情を変えることによって、気持ちにも変化が生まれてくる。つとめて明るい、穏やかな表情をすることで、暗い気分が和らいだり、停滞気味だった意欲が蘇ったりする。どうぞ表情チェックを忘れずに。骨格は変えられないが表情はすぐ変えられるのだから。
一方、皮膚も大事だ。皮膚は内臓の鏡ともいわれる。少しでも美しい自分を手に入れるためのこころ意気によっては肌の張りが違ってくる。何よりも内面の充実感が大事だ。微笑を浮かべて、ときめいていられるのは若さの証しだからだ。閉経すると急速に顔形は変わると言われる。50歳と60歳ではまったく変貌してしまう人がいる。60歳がターニングポイントらしい。
還暦ともなるとシミシワタルミも容赦なく襲う。表情豊かに生き生きと過ごすには皮膚に要注意だ。
アラフイフスの五十代女は知恵や誇り、賢さ 醜さや脆さも全部併せ持つ。「おばさん」と呼ばれたら、イラついた怒り顔は止して、会心の笑顔で返すことが大事だ。ポイントは皮と骨にある。肉は無用。これは皮肉ではない。 ( 2010/07/16 )
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