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世のうちそと

 上野で「国宝・薬師寺展」

上野で「国宝・薬師寺展」
日光・月光像と聖観音の違いは?

 再来年は藤原京から平城京へ遷都して1300年。これを記念して「国宝・薬師寺展」が3月25日〜6月8日まで、東京国立博物館で開かれた。はじめてペアで寺を出た「日光菩薩立像」と「月光菩薩立像」が話題の中心だ。東院堂の「聖観音」も一緒にお出ましだった。

最大のみどころは、展示面積を広くとり、先ず二階から仏像と目線で対面する構図にしたこと。穏やかな面相とゆるやかな肉どりで、圧倒的な迫力を持つ2体が目に飛び込んできた。

次に階下に降りて、ぐるり360度2体を鑑賞ができるという趣向。特にいつもは後背や厨子に隠されて見ることの出来ない後姿が拝観できたことである。そのうえ、照明が素晴らしい。専任の照明デザイナーがてがけた。

仏像鑑賞もこれまでの抹香臭さを排し、新しい時代を迎えたという意味でも画期的なことだった。リアリズムに貫かれた仏像は本来、中性のはずである。だから男も女もないのだが、やわらかにまるみを帯びながらも、どっしりとした身体つきは、どうも女性のように思えてしまう。

背筋のわずかなくぼみ、スカートの折り返しの柔らかな質感、裾がふわついた繊細な表現に息を呑む。正面から見ると二つの乳房は隆起に欠けるものの、女体をモデルにしたと見て不自然さはない。

もとは全身金色に輝いていた。それが、現在は鍍金が剥げ黒光りしている。鍍金は新たに施すこともできるだろうが、そうとなれば別モノの仏像になってしまう。

ひび割れもなく、濁りのない色も見事というしかない。何より形が美しい。特に背中が最大の注目点といわれてよくよく見れば、たっぷりとした胴腰のまるみが好ましい。30分間見続けていても見飽きない。

深々とした漆黒の肌がライトに鈍く照り輝いている。日本人離れした顔立ちや身体つきは初唐のインド・ブームの余波を受けての国際様式で作られたものらしい。

681年天武天皇が皇后(のち持統天皇)のため藤原京に薬師寺の建造を始め、697年伽藍の工事を完了した。平城京へ移転後、数度の火災に遭っている。現在の金堂は、1976年に当初の様式で復元されたものである。御本尊の「薬師三尊像」は当初の像であり、貴重品だ。国宝なのは理解がいく。

日光・月光菩薩像は、本尊の丈六金銅・薬師如来座像(像高255センチ)の脇侍で、薬師如来は今回は上京しなかった。「薬師三尊像」は、平城京の建設に際し、藤原京から移されたという説と新造説とに分かれ、なお決着をみていない。

「聖観音菩薩立像」の様式・制作時期の問題とあわせ議論されている。いずれも7世紀末〜8世紀初めの作とされるが、どうも日光・月光菩薩が7世紀、聖観音菩薩立像が8世紀初めに造られたような気がする。よくよく比較してみると洗練さが後者の方が勝っているのである。

身体つきは日光月光がズンドウなのに対し、聖観音菩薩立像はきちんとクビレをもっており、頭上に巻き上げた髪や紗の衣装もエレガントなのだ。日光月光菩薩と比較して拝むことができるのも、またひとつの見所となっていた。

( 2008/06/15 )

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