コロナ終息?
コロナが何とか去って、マスク生活も半分終わった。息苦しさを逃れるにはコンサートや芝居、スポーツ観戦がいい。そう考えて母校のオーケストラに出かけた。192回目の定期演奏会だった。明治大学マンドリン倶楽部は古賀政男という昭和の大作曲家により創部されたもので昨年は100周年だった。テレビを見てたまたま倶楽部の演奏に魅せられたのだ。当時部員はすべて男性だけで。私と言えばマンドリンなぞ見るのも触るのも初めて。入部テストではトレモロするにも指は動かず、最後は口で音符を読み上げて、なんとか部員に加われたのである。そこまで恥をさらしてあこがれの倶楽部に入ったものである。 当時、新入生は上級生の洗礼を受けたもので、先輩たちは下級生たちをプールの端に立たせて並べ、「気合が足りない」などと大声で叫び、悦に入っていたものである。そして1,2年生が皆で辞めれば、先輩たちも反省するだろうという話になり、約束事で翌日からの夏期合宿をすっぽかしたのである。でも実際に実行したのは数人で、あえなくおいらは首となった。赤穂浪士の団結はむつかしい。苦い青春の一場面ではあった。 半世紀ぶりに演奏会へ顔を出して驚いた。男性は少数で女性が多い。指揮者、コンサートマスター、司会はみな女性である。オーボエ、クラリネット、トランペット、ホルンは全員男性だがいずれも賛助出演とある。ギターも半数5人はすでに卒業された人たちである。肝心のマンドリンパート陣も現役は半数に満たない。それでも名門倶楽部の実力を鼓舞するように今年12月までの地方演奏会予定表が埋まっていた。 おいらは100年続く学生のクラブもずっとたいへんな事態を乗り越えて維持存続したものだなと慨嘆してみたのであった。 ( 2023/06/15 )
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