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緑風

 ともあれ

ともあれ、ここ50年書いてきたのが1面の本コラムである。上手いとか下手とか、面白いとか面白くないとかの評価は意に介してはいない。新聞を発行している限りにおいては1面に編集者の発言を書くべきとの強迫観念に似たものがある。長い間書いていると、スランプというか何を書いていいか分からないうちに締め切り日が来ている時もある。今もそうだ。テーマも何も好き勝手に書いているのだから楽なように思われるだろうが、書き手にも見栄もあるので、読者に喜ばれるものを、と意識はする。コロナの時間を含むここ10年は、時間に余裕も出来たので昔本にした自分の書いたものを読んでみたりした。覚えの薄いものもあるにはあるが、懐かしいものもあり、往時の心も再確認できた。もっともっと書いておけば良かったと反省もした。
 新聞だからと言って何でも書けるわけではない。まして業界新聞となれば、スポンサーに気を使い、執筆する先生に気を使い、安月給の社員にも気を使いといった風になかなか気骨の折れる思いである。新聞ができたあとでも満足することはない。今回もそう。平野通郎、大石武朗、小宮山載彦、坂崎重盛、山木靖雄と記せばピンとくる人がいるかもしれない。千葉大学造園学科41年度卒の同級生である。坂内善次郎さんが黄綬褒章を受けたのでそれをサカナにして集まろうということになった。コロナ禍の真っ最中の中、年末強行された。この年代には世に怖いものなど存在しない。学科定員が25人と少人数なのに今日まで仲良しなのは違う世代にとってはうらやましい人達だ。それを記事にできない状況は残念なことなのだ。

( 2023/04/15 )

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