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 アメリカのバイデン大統領が、学生ローン免除の政策を発表した。学生が借金をして授業料を払う学生ローンを1万ドル、日本円で約136万円を免除するというものだ。対象は約4300万人に及び、中にはこれで全額免除なる人もいるという。救済策としてもずいぶん思い切ったものである。もともとはバイデンさんが大統領選の公約として掲げていた。11月には中間選挙もあるので、有権者へのアピールという狙いもあるという。
 日本はどうなのだろう。お金を借りて授業料を払っている学生は日本にもいる。筆者の時も、授業料値上げ闘争や学費値上げ反対の学生運動にさらされまともな授業はなかった。それでも4年で卒業できた。いいのか悪いのか。それでも高度成長期の時代であったから奨学金は返還できた。奨学金給付は、国だけでなく、出身地の支援もありこちらは返金の必要はなかった。いつの時代でも、楽をして子供を上級学校に上げるに親は苦労しているものだ。
子どもたちの将来が吉凶に関わらず支援を惜しまないのが本道だと思う。
 そんなおり、昔社員だった男が訪ねて来た。たいそう立派になって、まだ30歳なのに、10歳上と20歳上の部下ができたという。年上を指導していくのは大変だろう。肝心のどんな仕事かについては聞き漏らした。なんでもいい、元気に働いているのならそれでいい。
 土日には居酒屋でアルバイトもしている2足のわらじ生活らしい。むしろうちの会社にいたときよりも元気そうだ。これなら奨学金の返還もすすみそうだ。そんな話をするが大学で借りた奨学金は返済が進まないと言う。理科系って返還金額が大きい。容易ではないらしい。むかしは「出世払い」といってなんとか完済することができた。いまはそうではない。みんなが大学や院まで進める時代になったのは素晴らしいことだが、卒業後、ずっと借金を意識して生きていかなくてはならないとすれば、これまた息苦しい閉塞的な時代だと言わねばなるまい。いっそのこと奨学金ではなく、大学卒業まで学費無料にすればアメリカを抜ける。

( 2022/9/06 )

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