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 ソロクラス会

 久しぶりにクラス会があって、「また来年も集まろうぜ」といった約束し、お開きとなる。でも後期高齢者だ。その「またね」がむずかしい。ポツリポツリと天に召されたとの知らせが届く。

 今年令和2年、2000年は世界中が異常な年回りに見舞われた。新型コロナウイルス禍のせいである。あらゆるイベントごとが見直されることになった。
 今は10月、新型コロナウイルスは消えていない。それどころか「第2波を怖れよ」との情報も飛び交う。「警戒せよ」といわれてもマスクを装着することぐらいしか策は浮かばない。老人たちにとっては生きにくい世の中になっている。過ぎた日々に戻りきることは出来ないからだ。
 ここに来ていえることだが、1年前にはどなたも予測できなかった事態なのだ。はたして同級会の欠席をどう断るのか?
曰く、子供たちが出席に反対している。可愛い孫たちが行くなと訴えている。亡き夫の法事が重なっている。県境を越えて上京するのは怖い。欠席理由は事欠かない。
 本来は同級生に年一度会うにそれほどの切実さはない。また逢えるチャンスはあると考える。
 ただ幹事ともなるとそうもいかない。予約はどうなる?補償払いが出るかも?
 そう、幹事にも意地がある。何としても平穏無事に終えたい。誰かが集合場所にひょっこり現れないとも限らない。遺漏なき企画完遂も幹事の勤めだ。
 果たして当日、集合場所に独り立って見る。無論知る顔は見ない。そのことは覚悟の上だから落胆はない。
 新型コロナウイルスのおかげで約束のイベントが延期、縮小、中止になる。その数は天文学的数字にのぼる。
 問題は次回のことだ。情熱のエネルギーは確実に減衰するだろう。来年になってみれはわかる。東京オリパラだって以前と同じ興奮は来ない。考えてみれば実に不思議なことだが、一度通り過ぎてしまった情熱は戻っては来ない。同窓会も同期会も、クラス会もお一人様で妄想するのもありの時代だ。ソロの暮らしはコロナ後、身についている。

( 2020/10/15 )

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