Gone with the Wind
2017年上半期、日産、ルノー、三菱自の3社連合が新車の世界販売台数で初めて世界首位になった。ゴーン会長は翌年4月にはテレビで、日産とルノーの資本関係の見直し検討を明らかにした。 そして11月、来日すると逮捕され今も小菅辺りに隔離されている。 経営統合どころか会長職は解任され、春風を体感しないまま運命は反転した。 筆者は昔、自動車の業界紙を出していた。メーカーは9社あったが、いずれも大企業にかわりはない。新車発表ともなると、午前中は一般紙記者、午後は業界紙が押し掛け、総勢2000人がいた。帰りには豪華なパンフレットとお土産付きでそれは華やかなイベントだった。中でもトヨタ日産はトップ2を維持していた。社風も異なっていた。日産は広報室に出入り自由で、トヨタは受付を通す必要があった。日産は結婚も自由恋愛風で、トヨタは社内結婚が多いようであった。技術の「日産」、販売の「トヨタ」と言った構図に見えた。実際、トヨタは自動車工業と自動車販売の二つの会社に分かれ、三菱自動車もそうだった。その後、統合されるがそれぞれに社風は異なるように思えた。 一転、緑の業界も農業、林業、種苗、園芸、造園植木生産と裾野の広い産業を形成していて、ジャーナルが無いわけではなかった。ただ相互の関係は希薄であり、記者クラブを立ち上げるほどではなかった。 それでも時折、造園、ランドスケープに進出してくる企業もあった。でも数年で撤退を余儀なくされた。どうしてか?答えは簡単で、資本潤沢で、書き手が著名人を揃え、カラー刷りで、デザインが美麗だからといってジャーナルが上手くいくとはかぎらないのである。 驕れず、懼れず、ひたすら読者のことを考えて次の号を作って行くしかないのである。 カルロス・ゴーンさんの身の上を考える時、あまりに権力を乱用がめだった。彼に贈る言葉は古い映画にあったように Gone with the Wind という言葉を贈りたい。 ( 2019/02/15 )
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