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 敬老の日に

敬老の日は老人を敬い、長寿を祝い、感謝の気持ちを伝える日である。
子どもの日や成人の日は年も限定されてわかりやすい。
 ところが老人の日ははっきりしない。おじいさんはお母さんのお父さん、お父さんのお父さんも、おじいさん。子どもたちから見ればなんだかむつかしい。
 何しろ、何歳から老人なのかがに明確でない。子どもたちは、おじさん、おばさんを使う。
それが、おじいちゃん、おばあちゃんになる。その呼ばれ方にも時差が出る。
 人の最後は健康に死ぬことが理想だが、人生百歳時代を喧伝されると老人の定義もむつかしくなる。
 巷の検証結果では男女ともほぼ40後半にな れば「もう年だ」と自分たちのことを老人ぶ ってかんがえる。これではほぼか国中が老人になってしまう。これからのジパングはジジババ大国だ。
こうなると、敬老ではなく嫌老になってしまう。生産性がないとなれば忌み嫌われるのが最近の流行らしい。果ては棄老伝説まで行きつく。つまり乳母捨て山よりも子棄て川の、親父捨て海とこの世でひとたび役に立たないと烙印を捺されたものはゴミ同然で、ゴミなら棄てられて当たり前と言う羽目になる。こういう考えが世に伝染していくと、公園なども利用されていなければ、採算が取れる形につくりかえようということになる。地域にあるみじかな公園が商業主義の餌食になったらもはやこれまでだ。
 LBGDの人たちを生産性がないと論じた政治家がいた。いまやその程度の政治家はその程度の選挙制度が生み出している。乳母捨て伝説は子棄て現象の前触れなのかも知れない。人は差異には敏感な生きものだから。だからと言ってそれは良くないことを知るべきだ。

( 2018/10/15 )

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