如月の話
如月の由来は、寒さが厳しく、着物の上にさらに重ねて着るので「衣更着」が転化したともいわれる。それにしても寒気が厳しい今年の2月だ。インフルエンザも猛威を振るっている。 節分が過ぎたのに早春の寒空の下で健気に群れ咲く節分草も今年は見ていない。ウグイスの初音も聞いていない。暦の上では春となる立春も過ぎて、春風に氷が解け始める声を聞いても水の中に、魚の姿は見えない。 旧暦でいえば16日は元日である。なら15日は大みそかということになる。旧暦のほうが仕事のけじめもついていまも日本人の身体になじむような気持ちがしてならない。 暦は人々の生活時間に沿ってゆくのがいいように思われる。 「はる」とは万物が「発(は)る」草木の芽が「張る」、田畑を「墾(は)る」、気候が「晴る」からなどの意からといわれるらしい。春の色は青、いまでいう緑色とされる。色に願いや思いがこめられている。色は自然と同じ。日本の四季は豊かだからそこに住まう人達はとても恵まれている。四季折々の色を自然から頂くのがいい。近道を急いではいけない。時間を短縮してはいけない。自然の風に寄り添い、雨をいとわず、坂や谷を異空間と考えず、時間を短縮してはいけない。 緑は生命の色なのである。 季節は足早にすぎてゆき、生き物は陽光とぬくもりを求めて、求愛のダンスを踊る。旧暦の新年を迎えるまでは大寒もあるのでじっと布団の中にれば暖房費もかからず、肌と肌の触れ合いでどうしても女房と重なることになる。となれば、子ども誕生の確率は強まる。少しは少子化問題の解決につながりを持とうというものだ。 ここまで読まれた方は何とも辛抱強い方に違いない。なぜならこの程度の薀蓄はグーグルをググってみればすぐにわかることだからである。 ( 2018/02/15 )
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