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 貴ノ岩の災難

1月14日初日の大相撲初場所が満員御礼の人気だ。歳を跨いで、国技の危機、角界の先行きは揺れに揺れているとされたはずなのに。
 横綱日馬富士は暴行事件の責任を取り相撲界を去った。暴行を受けた貴ノ岩は姿を見せていない。番付も十両に下がり、復帰だって保証されてはいない。今回の騒ぎで最も割りを食っているのはこの人に違いない。
 協会は初日、理事長あいさつでも不祥事への言及がなかった。かように相撲協会内内輪の問題でしかないのだ。
問題点が発表されなかったのだから、今なお原因は不明であると言うしかない。貴ノ岩がいずれ証言することで明らかになることもあるだろうが、隠そうとした事実は変わらない。時間の経過する中で、奇妙なことに真実を曖昧にする傾向が生じてしまった。おそらく主役が貴乃花親方であったために、ほかのことも隠さざるを得なくなったせいだ。貴ノ岩が土俵に上がることなく、再起不能になるかどうかは別の話なのである。
 大相撲の世界は、特殊な世界である。相撲取りの気持ちは土俵に上った人でなければわからない。親方からクロといわれたら自分にはシロに見えても反論は出来ない世界だ。だからテレビのコメンテーターが最もらしく解説しても納得を得ているとは言えない。
今では協会執行部と貴乃花親方との対立と言う構図だ。力士代表の白鵬も貴乃花親方に批判的。はっきり言えば、貴乃花部屋は多勢に無勢なのだ。
理事会の冒頭の様子が
テレビ放送で流れていた。理事長と貴乃花親方は目を合わせることは、なかった。本当に仲がよくないのだ。修復は不可能だ。
ファンからガッカリされ周囲の知人から意見されようが彼らは自分の生き方を曲げることはないだろう。最大の被害者である貴ノ岩が可哀想でならない。

( 2018/01/15 )

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